フェムケアと更年期の関係
デリケートゾーンの乾燥、ホットフラッシュ、尿漏れ、抑うつなど様々な症状に悩まされる更年期こそ、フェムケアが必要です。更年期に適したフェムケアを効率的に活用することで、問題の多い更年期を快適に過ごせるようになります。更年期の症状や、更年期に必要なフェムケアについてご紹介します。
- フェムケアとは
- 女性の更年期障害について
- 更年期の女性に必要なフェムケアとは
– デリケートゾーンを守ってくれるフェムケア
– 皮膚の乾燥とかゆみを抑えてくれるフェムケア
– 体温の変化に対応してくれるフェムケア
– 肩こりや腰痛を緩和してくれるフェムケア
– 尿漏れをサポートしてくれるフェムケア
– 睡眠の質を高めてくれるフェムケア
– 気持ちを落ち着かせて前向きにしてくれるフェムケア - まとめ
フェムケアとは
「フェムケア」とは、テクノロジーを使わずに、女性の体のケアや健康をサポートする製品やサービスのことです。それに対して、テクノロジーを使って女性の体のケアや健康をサポートする製品やサービスのことを、「フェムテック」といいます。けれど、フェムケアとフェムテックを切り離して考えることは難しく、同じような意味として扱われることも少なくありません。同じ製品やサービスを、「フェムケア」「フェムテック」と表すことも多くあります。
女性は女性ホルモンの影響を大きく受けるため、月経や妊娠、更年期などによる体調の変化と付き合っていかなくてはなりません。特に、更年期は閉経によって女性ホルモンが急激に減少するため、生活に支障が生じるような症状が現れることもあります。そのため、更年期の女性にとってフェムケアは重要なものです。
女性の更年期障害について
閉経前後の10年間は女性ホルモンの分泌が急激に低下するため、様々な症状が現れます。この期間のことを更年期、生活に支障が生じるような症状が現れることを更年期障害といいます。閉経する時期は個人によって異なりますが、50歳前後のことが多く、45~55歳頃に更年期となる方が多くなっています。
また、更年期障害の症状や程度は個人差が大きく、比較的楽に日常生活を送れる方もいれば、仕事や家事が手につかなくなってしまう方もいます。更年期障害の主な症状には、次のようなものがあります。
- 膣の乾燥、性交痛、デリケートゾーンの乾燥・かゆみ
- 皮膚の乾燥・かゆみ
- ほてり、のぼせ、発汗、冷え
- 動悸、息切れ
- めまい、耳鳴り、頭痛
- 肩こり、腰痛、関節痛
- 頻尿、尿もれ
- 不眠
- イライラ、不安感、無気力、抑うつ
更年期を乗り越えるには、症状を緩和して過ごしやすくしてくれるフェムケアが重要になってきます。
更年期の女性に必要なフェムケアとは
更年期の女性には、更年期障害のつらい症状を緩和してくれるフェムケアが欠かせません。近年、フェムケアの重要性が注目されるとともに、様々なフェムケア商品・サービスが販売されるようになりました。更年期に必要なフェムケアを、症状ごとに見ていきましょう。
●デリケートゾーンを守ってくれるフェムケア
更年期になるとデリケートゾーンが乾燥しやすくなるため、専用のソープと保湿クリームやオイルが必要です。潤いを守りながら清潔に保つことで、乾燥やかゆみ、臭いなどを軽減することができます。また、膣も乾燥するため、膣専用のオイルや、性交をスムーズにするための潤滑ジェルが必要になる場合もあります。
●皮膚の乾燥とかゆみを抑えてくれるフェムケア
デリケートゾーンだけでなく顔や体も乾燥しやすくなるため、今までよりも保湿力の高い保湿剤が必要になってきます。更年期は仕事や家庭に忙しい女性が多く、お手入れに使える時間も少ないことから、一つでスキンケアが完成するオールインワンや、全身に使用できるクリームなどが人気です。更年期になると肌が敏感になる女性も多いため、敏感肌用のインナーが必要になることもあります。
●体温の変化に対応してくれるフェムケア
更年期は急にほてったり発汗したりするため、体温調節が大切になります。体は暑いのに、手足は冷えているという場合もあります。更年期の体温調節には、更年期用のインナーがおすすめです。更年期用のインナーは、高い吸湿性でホットフラッシュにも対応できます。また、ほてりを冷ましてくれる効果のあるものもあります。冷えた足を温めてくれるソックスや、体温調節に役立つストールなどがあると便利です。
●肩こりや腰痛を緩和してくれるフェムケア
肩こりや腰痛を緩和するには、肩や腰まわりを温めて血行を促してくれるフェムケアが必要です。蒸気の温熱で肩や腰を温めてくれるシートや腹巻など、手軽に使用できるものが揃っています。全身の血行を促す効果が期待できる、入浴剤やアロママッサージもおすすめです。ホットヨガや体操など体を動かすフェムケアで、肩こりや腰痛を軽減することもできます。
●尿漏れをサポートしてくれるフェムケア
重いものを持ったり、くしゃみをしたりしたときに尿漏れをする女性が多くなるため、不意の尿漏れに対応できる吸水ナプキンが必要になります。吸水ナプキンはいろいろものが揃っているため、吸水量や肌ざわり、処理方法など好みのものを選ぶことができます。吸水ナプキンの装着感が苦手な方には、吸水機能の備わった吸水ショーツがおすすめです。尿漏れの改善に役立つ骨盤底筋トレーニングができるヨガや、講座なども人気を集めています。
●睡眠の質を高めてくれるフェムケア
寝付きが悪い、夜中に何回も目が覚める、眠りが浅くて眠った気がしないなど、睡眠の質の低下に悩んでいる女性も少なくありません。毎日を元気に過ごすには、十分な睡眠が必要です。香りの力で睡眠の質を高めてくれるアロマスプレーや、心地よい眠りをサポートしてくれるサプリメントなどのフェムケアがあります。枕や寝具、寝室の照明など、快眠しやすい環境を整えるアイテムも大切です。更年期になると寝汗の量が増えることもあるため、吸湿性の高いパジャマも必要になります。
●気持ちを落ち着かせて前向きにしてくれるフェムケア
更年期になると、イライラしたり、憂鬱な気持ちになったり、やる気がなくなったりと、気持ちをコントロールするのが難しくなります。そのため、気持ちを落ち着かせて前向きにしてくれるフェムケアが必要になってきます。アロマスプレーやサプリメント、ヒーリングミュージックなど、憂鬱な気持ちを軽くしてくれるフェムケアを活用するのもおすすめです。アロママッサージなどで、心身をリラックスさせるものもあります。ヨガや体操など、体を動かして症状を緩和するフェムケアも人気です。
まとめ
閉経前後の10年間は女性ホルモンが急激に減少するため、更年期障害に悩まされている女性も少なくありません。毎日を元気に快適に過ごすためにも、フェムケアを生活に取り入れましょう。
自分の症状や悩みに合わせて、自分に必要なフェムケアを選んでください。商品を使いこなすとともに、ヨガやジムなどのサービスを活用するのもおすすめです。頼りになるフェムケアを味方につけて、更年期と上手に付き合っていきましょう。
この記事の執筆者:インコさん
正看護師として美容皮膚科をメインに勤務。美容皮膚科では、10代~60代まで幅広い年代の女性の脱毛も担当。多くの女性と接することで、体を美しく整えること、美しく年を重ねることの大切さを学ぶ。
デリケートゾーンを美しく整えたいと希望する女性が多いことから、フェムケアの必要性をより認識。
その後、卵巣嚢腫の手術を経験し、不妊治療のために退社。体外受精を経て1児の母に。
現在は、そうした経験を生かして医療や美容関連のライティングを中心に活動。
医療系記事では、疾病の基礎知識や対処法、美容整形の施術紹介など専門性の高いものを執筆。美容関連では、脱毛やスキンケアを中心に更年期障害やアンチエイジングケアなどのテーマを得意とする。