2023.02.08

フェムケアとは

女性の社会進出が進む現在、フェムケアの重要性が高まっています。フェムケアとはどんなもので、なぜ注目されるようになったのか、フェムケアの種類にはどのようなものがあるのかなどをご紹介します。

 

フェムケアとは

「フェムケア」という言葉をご存じですか?インターネットや雑誌で取り上げられることが増えたため、目にしたことがある方も多いでしょう。
「フェムケア(Femcare)」は、「女性の(Feminine)」と「ケア(Care)」をかけあわせて作られた言葉で、女性の体をケアして健康をサポートする製品やサービスを表しています。
女性は、月経、妊娠、更年期などによって体が大きく変化するため、それに合わせたケアが必要です。そのためフェムケアは、女性が健康的で快適に過ごすために欠かせないものとなっています。

フェムケアが注目されている背景

フェムケアが注目されるようになった背景には、女性の社会進出があるといわれています。昔は専業主婦が一般的でしたが、現在は結婚後にも仕事を続ける女性が多くなり、仕事をしながら月経、妊娠、出産、更年期をどう乗り越えるのかが大きな問題となっています。それとともに、女性の健康問題を解決してくれるフェムケアの必要性が高まり、注目されるようになりました。
また、SNSの発達によって情報が得られやすくなったことや、女性の声が世間に届きやすくなったことも背景にあると考えられています。以前は、月経やデリケートゾーンを話題にすることに対して、「恥ずかしい」「人に話しづらい」と感じる傾向がありました。けれど、SNSで女性特有の健康問題や悩みについて情報交換する女性が増えたことで、月経やデリケートゾーンに対する意識が変わってきました。
フェムケアに取り組む企業が増え、フェムケアに関する話題がテレビやインターネットなどで取り上げられるようになったことも影響しています。

フェムケアとフェムテックの違い

フェムケアと一緒に使われることの多い言葉に、「フェムテック」があります。「フェムケテック(Femtech)」は、「女性(Female)」と「技術(Technology)」をかけあわせて作られた言葉で、テクノロジーによって女性の体をケアし、健康をサポートする商品やサービスを表しています。
テクノロジーによるケアをフェムテック、テクノロジーを用いないケアをフェムケアといいますが、厳密に分けることが難しいケースも多く、同じように扱われることも少なくありません。フェムテックの代表的なものには、月経周期や排卵周期を管理するアプリなどがあります。

フェムケアの種類

女性の悩みを解決し、健康的で快適な毎日を送るのに役立つフェムケア商品・サービスが数多く販売されています。具体的なフェムケアの種類について見ていきましょう。

デリケートゾーンの悩み解決に役立つフェムケア

デリケートゾーンは皮膚が薄く敏感なため、専用のアイテムによるお手入れが必要です。必要な潤いを守りつつ清潔にしてくれるソープと、乾燥しやすいデリケートゾーンの潤いを守ってくれるクリームやジェルを使用することで、かゆみや黒ずみ、臭いといったデリケートゾーンに多い悩みを解決することができます。
見た目を美しく整え、雑菌の繁殖を防ぐ効果が期待できるVIO脱毛も、フェムケアの一つです。VIO脱毛の方法には、医療レーザー脱毛、光脱毛、ブラジリアンワックス、カミソリや電気シェーバーによる自己処理などがあります。

生理中でも快適に過ごせるフェムケア

生理中は月経の処理だけでなく、生理痛や眠気などの不快な症状に悩まされている女性も少なくありません。生理は毎月訪れるものなので、生理中を快適に過ごすためのフェムケアはとても大切なものです。肌にやさしいオーガニックコットンのナプキンや布ナプキン、ナプキンよりも交換回数が少なくて済む月経カップ、ナプキンやタンポン不要のサニタリーショーツなど、いろいろなものがあります。お腹を温めて生理痛を楽にしてくれる腹巻き付きサニタリーショーツや、生理前のバストアップに対応してくれるブラジャーも人気です。

妊娠中のサポートをしてくれるフェムケア

妊娠すると、体が赤ちゃんを育てるために変化します。特にお腹とバストの変化は大きく、それに合わせたフェムケアが必要です。妊娠線を予防するクリームや、妊娠後にもバストを美しく保つクリームやブラジャーを使用する女性が増えています。妊娠中は肌がデリケートになるため、肌の状態に合わせたボディクリームやデリケートゾーン専用のクリームが必要になることもあります。
妊婦さん専用のマタニティヨガも、妊娠中のフェムケアとして人気です。マタニティヨガを適切に行うことで、心身をリラックスさせるとともに、肩こりや腰痛などを緩和する効果が期待できるといわれています。

更年期障害の改善に役立つフェムケア

閉経前後に女性ホルモンが減少することで、更年期障害が現れます。更年期障害には倦怠感、不眠、尿漏れ、ホットフラッシュ、肩こりなど様々な症状があり、これらの症状を緩和して過ごしやすくするフェムケアが求められています。尿漏れに対応してくれる布ナプキンや吸水ショーツ、ホットフラッシュに対応してくれるインナーなどが人気です。更年期障害の症状を和らげてくれるサプリメントや、アロマオイルなどもあります。
更年期障害の緩和を目的とした、ホットヨガやマッサージなどもフェムケアの一つです。

フェムケアの重要性

女性が社会に進出するようになり、仕事と家庭を両立する女性が増えてきました。それだけでなく、子育てや介護などを行っている女性も少なくありません。男性も育児休暇が取得できるようになってきましたが、家庭や子育てに関して女性の負担の方が大きい場合がほとんどです。月経や更年期による体の変化も避けて通ることができません。けれど、現在の社会は妊娠・出産、月経や更年期に対応したシステムになっていないため、女性の負担が重くなっています。女性が社会で活躍するためには、フェムケアによって女性の負担を軽減することが必要不可欠です。フェムケアを活用することで、女性特有の健康問題と上手に付き合えるようになります。

まとめ

女性が社会で活躍するには、体の状態に合わせたフェムケアが欠かせません。

女性は月経、妊娠、更年期によって体が変化するため、体の変化に対応し、日常生活の負担を減らすことが大切です。そのためにも、フェムケアを上手に活用しましょう。フェムケアに関する情報を、インターネットなどでチェックするのもおすすめです。フェムケアを生活に取り入れて、毎日を快適に過ごしましょう。

この記事の執筆者:インコさん

正看護師として美容皮膚科をメインに勤務。美容皮膚科では、10代~60代まで幅広い年代の女性の脱毛も担当。多くの女性と接することで、体を美しく整えること、美しく年を重ねることの大切さを学ぶ。
デリケートゾーンを美しく整えたいと希望する女性が多いことから、フェムケアの必要性をより認識。
その後、卵巣嚢腫の手術を経験し、不妊治療のために退社。体外受精を経て1児の母に。
現在は、そうした経験を生かして医療や美容関連のライティングを中心に活動。
医療系記事では、疾病の基礎知識や対処法、美容整形の施術紹介など専門性の高いものを執筆。美容関連では、脱毛やスキンケアを中心に更年期障害やアンチエイジングケアなどのテーマを得意とする。