2023.04.12

プレ更年期で気をつけること~更年期に備えた予防と対策~

プレ更年期についてご存じですか?プレ更年期にも不調が現れることがあると聞いて、不安になっている方もいらっしゃるかもしれません。プレ更年期はいつ訪れるものでどんな症状が現れるのか、更年期に備えるためにプレ更年期をどうやって過ごせばいいのかなど、プレ更年期の注意点についてご紹介します。

 

プレ更年期とは

プレ更年期とは、更年期の前段階の時期のことです。更年期は閉経前後の10年間を指し、50歳前後に閉経することが多いことから、45~55歳ごろに更年期を迎える方が多くなっています。そのため、30代後半~40代前半の時期をプレ更年期と呼んでいます。プレ更年期という医学用語はないのですが、数年前からネットや雑誌などで多く使用されるようになり、現在はポピュラーな言葉となっています。
更年期になると女性ホルモンの分泌が急激に減少するため、更年期障害と呼ばれるさまざまな症状が現れるのですが、人によってプレ更年期にも更年期障害と似た症状が現れることがあるため注意しましょう。

更年期に起こる症状や更年期障害

更年期は卵巣機能が低下するため、女性ホルモンの一つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が急激に減少します。それが原因となって、動悸や息切れ、ホットフラッシュや冷えなどさまざまな症状が現れやすくなります。頭痛や関節痛、頻尿や尿漏れに悩まされることも。肌の乾燥やかゆみだけでなく、デリケートゾーンの乾燥やかゆみ、性交痛を感じる方も多くなります。女性ホルモンは心にも影響を与えるため、イライラ、不安感、無気力、憂鬱な気分に悩まされ、不眠になることもあります。
更年期に現れる症状は個人差が大きく、日によっても異なります。更年期に現れる症状の中でも、生活に支障が生じるものを更年期障害と呼んでいます。

更年期に備えて気をつけるべきこと

更年期は誰にでも訪れるものなので、心配しすぎないようにしましょう。更年期に現れる症状やつらいという意見を耳にすると不安になるかもしれませんが、きちんと備えることで更年期の負担を軽減することができます。更年期を快適に過ごすためのアイテムやアプリが多く揃っているため、上手に活用しましょう。ひとりで悩まずに、医療機関に相談したり、まわりに協力を求めたりすることも大切です。

更年期に備えた予防と対策

女性ホルモンの減少を止めることはできませんが、更年期に備えることで更年期を過ごしやすくすることができます。おすすめの予防法についてみていきましょう。

体調や基礎体温の変化をチェックする

更年期が始まる時期や症状の現れ方には個人差があるため、自分の体の変化をチェックしましょう。体の変化を早く発見することで、早めに対処することができます。女性ホルモンの変化を知るには、基礎体温を測るのがおすすめです。基礎体温を測ることで、排卵日や月経周期を予測するとともに、女性ホルモンのバランスが乱れていないかなどをチェックすることができます。毎日の基礎体温や体調、月経の始まった日と終った日などを、カレンダーやノートに記しておきましょう。基礎体温のデータなどを簡単に管理できる、アプリを利用するのもおすすめです。

更年期の情報収集をして知識を増やす

更年期と上手に付き合うには、更年期についての知識が必要です。どんな症状が現れやすく、どう対処すればいいのか、更年期に役立つアイテムにはどのようなものがあるのかなどをチェックしておきましょう。更年期について理解していれば、更年期が訪れたときにスムーズに対処できます。インターネットや雑誌などを利用して、情報を集めておきましょう。

運動する習慣を身につけておく

健康な体を維持するには、適度な運動が効果的だといわれています。更年期に新しいことを始めるのは大変なため、更年期前の余裕がある時期に運動する習慣を身につけておきましょう。運動は、ウォーキングやランニング、ストレッチや筋トレなど、練習が不要で初心者でも簡単に始められるものがおすすめです。少しずつでもいいので、継続することを目標にしましょう。一人では続けられないという方は、ヨガサークルやスポーツジムなどを活用するのもおすすめです。

規則正しい生活で体のバランスを整える

体のバランスを整えるためにも、規則正しい生活を送りましょう。更年期になると不眠に悩まされることも少なくないため、生活リズムを整えて睡眠の質を上げることが大切です。生活リズムを整えるには、食事や、起床と就寝する時間を毎日同じ時間に行うのが効果的だといわれています。起床時に日光を浴びる、日中に適度な運動をする、就寝前にリラックスして過ごすのも、生活リズムを整えるのに役立ちます。

食生活を整えて健康な体をつくる

食事は1日3食きちんととりましょう。新鮮な食材から、いろいろな栄養素をバランスよくとることを心がけてください。また、適切なカロリーをとることも大切です。カロリーを過剰に摂取すると、肥満やメタボリックシンドロームになるリスクが高くなってしまいます。逆にカロリーや特定の栄養素が極端に不足すると、女性ホルモンのバランスが乱れやすくなるため注意しましょう。女性ホルモンのバランスを整えるのに役立つ大豆イソフラボンや、体の酸化を抑えてくれる抗酸化作用のある食べ物をとるのもおすすめです。

工夫して日常生活を効率化する

更年期になると、頭痛や倦怠感があって思うように動けなくなったり、やる気が起きなくなったりすることがあります。そんなときのために、日常生活を効率化しておきましょう。いらないものを処分して片付けを楽にする、電動掃除機を活用する、コーディネートをパターン化するなど、いろいろ工夫して日常生活の手間を省くのがおすすめです。日常生活を効率化することで、リラックスタイムを増やすことができます。

相談できる医療機関をリサーチしておく

更年期の症状は個人差が大きいため、症状によっては医療機関での治療が必要になる場合があります。更年期だけでなく乳がんや子宮がんなど女性特有の疾患にも注意が必要なので、相談できる婦人科を見つけておくとよいでしょう。説明がわかりやすく相談しやすい医師がいるクリニック、自宅や職場から通いやすいクリニックなど、自分に合ったクリニックを選んでください。

まとめ

プレ更年期は30代後半~40代前半に迎えることが多く、人によって更年期と似たような症状が現れることがあります。

プレ更年期には、体調の変化に注意するとともに、更年期に備えた予防と対策を行いましょう。
更年期を避けて通ることはできませんが、備えることで心身の負担を減らすことができます。更年期の情報や相談できる医療機関をリサーチする、生活習慣を整えるなどして、更年期に備えましょう。

この記事の執筆者:インコさん

正看護師として美容皮膚科をメインに勤務。美容皮膚科では、10代~60代まで幅広い年代の女性の脱毛も担当。多くの女性と接することで、体を美しく整えること、美しく年を重ねることの大切さを学ぶ。
デリケートゾーンを美しく整えたいと希望する女性が多いことから、フェムケアの必要性をより認識。
その後、卵巣嚢腫の手術を経験し、不妊治療のために退社。体外受精を経て1児の母に。
現在は、そうした経験を生かして医療や美容関連のライティングを中心に活動。
医療系記事では、疾病の基礎知識や対処法、美容整形の施術紹介など専門性の高いものを執筆。美容関連では、脱毛やスキンケアを中心に更年期障害やアンチエイジングケアなどのテーマを得意とする。