2023.03.24

やる気が出ない、何もしたくない、更年期に出る症状の原因と対策

更年期になると、やる気が出ない、何もしたくないなどの症状が現れることがあります。人によっては家に引きこもったり、人との交流を避けるようになったりすることもあるようです。更年期になるとどうしてやる気が出なくなってしまうのか、どう対処すればいいのかなど、悩みの解決に役立つ方法をご紹介します。

 

更年期の女性特有の症状は?

更年期になると、体だけでなく心にも変化が現れます。以前なら気にならなかった些細なことにイライラしたり、急に不安になったりすることも。気持ちが落ち込んで憂鬱な気持ちになったり、無気力になって何も手につかなくなったりする方もいらっしゃいます。
体に現れる症状が、心に影響を与えることもあります。更年期になると、眠りが浅い、寝つきが悪いなど、不眠に悩まされる方も少なくありません。そのせいで、集中力ややる気が低下してしまうことも増えています。動悸や息切れ、頭痛や肩こり、手足の冷えや倦怠感、デリケートゾーンの乾燥など、体の不調が原因となってやる気が出ないこともあるでしょう。頻尿やホットフラッシュが気になり、外出が億劫になることもあるようです。
症状の現れ方や程度は個人差が大きく、やる気が出なくて朝起きられない、感情がコントロールできなくて人間関係がうまくいかないなど、日常生活に支障が生じてしまうこともあります。更年期に現れる症状のうち、生活に支障が生じているものを更年期障害といいます。

やる気がでない、何もしたくない…更年期に出る症状の原因とは

更年期の心と体の変化には、女性ホルモンが大きく関係しています。閉経前後の約10年間は卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することから、イライラや不安感、無気力や抑うつなどの症状が現れやすくなるといわれています。
50歳前後に閉経することが多いことから、45~55歳ごろに更年期を迎える方が多くなっています。更年期は仕事や家庭、子育てや親の介護、自分の老後など、体調以外にも悩みを抱えやすい時期です。そのため、更年期障害とそのほかの悩みが重なり、感情のコントロールが難しくなることもあります。

更年期での対処法 <食事編>

更年期の症状を改善するには、食生活を整えることが大切です。自分の食生活を見直して、心と体の健康に役立てましょう。

バランスよくいろいろな栄養素をとる

心と体を健康に保つには、整った食生活が欠かせません。食事は朝、昼、晩と3食きちんととりましょう。いろいろな栄養素をバランスよくとることも大切です。一汁三菜の和食を意識して、メニューを決めるとよいでしょう。女性ホルモンと似た働きがあるといわれている、大豆イソフラボンをとるのもおすすめです。

カロリーオーバーに注意する

更年期は、基礎代謝の低下やホルモンバランスの乱れによって太りやすくなります。食事量は昔と変わらないのに、脂肪が増えてしまったという方も多いでしょう。食事や間食、飲み物などのカロリーに注意して、肥満やメタボリックシンドロームを防ぐようにしてください。

食事を準備する負担を軽くする

やる気がでないときに、食事の準備をするのは大変なことです。調理の負担を減らすためにも、便利な時短調理器具やミールキットなどを活用しましょう。何もしたくないときに宅配を利用したり、気分転換したいときに外食をしたりするのもおすすめです。食生活を整えることは健康の維持に欠かせませんが、適度に手を抜いて無理しすぎないようにすることも大切です。

更年期での対処法 <運動・休息編>

適度な運動と十分な休息は、心と体によい影響を与えます。無理なく続けられる運動を生活に取り入れるとともに、リラックスタイムをつくって心と体を休めましょう。

適度な運動を生活に取り入れる

ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動がおすすめです。適度な運動を継続して行うことで、自律神経やホルモンバランスを整える手助けができます。ウォーキングなど無理なく続けられる運動を、毎日の習慣にしましょう。寝る前のストレッチは体のこりをほぐすだけでなく、睡眠の質を上げる効果も期待できるといわれています。

筋肉の量を増やす

筋肉トレーニングをして、筋肉を鍛えるのもおすすめです。筋肉には血行を促す働きがあるため、肩こりや手足の冷えを改善するのに役立ちます。5分程度でできる簡単なものでいいので、継続して行いましょう。

疲労をためないようにする

疲労がたまると心身に悪影響を与えてしまうため、休息や睡眠をしっかりとって疲労回復に努めましょう。リラックスできる時間をもつことも大切です。音楽鑑賞や映画鑑賞、読書などをゆっくり楽しむのもよいでしょう。自然に触れたり、ペットと一緒に過ごしたりするのもおすすめです。

睡眠の質を上げる

毎日を元気に過ごすには、質の高い睡眠が欠かせません。ベッドマットやパジャマなどを見直して、睡眠しやすい環境を整えましょう。就寝する1~2時間前に40℃前後のお湯にゆっくりつかる、食事は就寝する3時間前までに済ませる、就寝の1時間前からスマホやパソコンの使用を控えるなども効果的だといわれています。規則正しい生活を送ることで、体内時計を整えて睡眠の質を上げることもできます。

更年期での対処法 <その他>

ひとりで悩まないようにすることも大切です。つらいときにはまわりにサポートを求めたり、婦人科の受診を検討したりしましょう。

まわりに更年期について理解してもらう

やる気がでなくて思うように行動できない、イライラした態度をとってしまうなど、感情がコントロールできないことがあることをまわりに伝えておくのもおすすめです。更年期について理解してもらうことで、人間関係の摩擦を抑える手助けができます。人によっては更年期の悩みを聞いてもらうことで、気持ちが軽くなることもあるでしょう。家族やパートナーにサポートしてもらうことで、更年期が過ごしやすくなることもあります。

婦人科で必要な治療を行う

食生活や生活習慣を整えても症状が軽くならない、サプリメントを活用しても症状が改善しないなど、生活に支障が生じている場合には婦人科を受診しましょう。婦人科では必要な検査を行うとともに、適切な治療を受けることができます。

まとめ

更年期になると、やる気が出ない、何もしたくないなど、感情のコントロールが思うようにならないときがあります。

更年期による変化と上手に付き合っていくには、食生活を整える、適度な運動を習慣にする、十分な休息と質の高い睡眠をとることが大切です。

まわりのサポートや、婦人科での治療が必要になることもあるかもしれません。自分に合った対処法を選んで、更年期を乗り越えていきましょう。

この記事の執筆者:インコさん

正看護師として美容皮膚科をメインに勤務。美容皮膚科では、10代~60代まで幅広い年代の女性の脱毛も担当。多くの女性と接することで、体を美しく整えること、美しく年を重ねることの大切さを学ぶ。
デリケートゾーンを美しく整えたいと希望する女性が多いことから、フェムケアの必要性をより認識。
その後、卵巣嚢腫の手術を経験し、不妊治療のために退社。体外受精を経て1児の母に。
現在は、そうした経験を生かして医療や美容関連のライティングを中心に活動。
医療系記事では、疾病の基礎知識や対処法、美容整形の施術紹介など専門性の高いものを執筆。美容関連では、脱毛やスキンケアを中心に更年期障害やアンチエイジングケアなどのテーマを得意とする。