2022.12.21

デリケートゾーンが乾燥する原因とその対処法

デリケートゾーンの健康を守るには、肌の乾燥を防ぐことが大切です。デリケートゾーンが乾燥する原因や対処法をチェックして、デリケートゾーンのケアに役立てましょう。

デリケートゾーンが乾燥すると

皮膚がカサカサになるだけでなく、肌トラブルが起こりやすくなります。
肌にはバリア機能が備わっており、肌の水分が蒸発するのを防ぐとともに、外的刺激から肌を守っています。そのため肌が乾燥してバリア機能が低下すると、かゆみや雑菌の繁殖など肌トラブルが起こりやすくなります。雑菌が繁殖することで、臭いが強くなるおそれもあるため注意しましょう。また、肌の水分を守る力も低下してしまうため、さらに乾燥しやすくなってしまいます。

デリケートゾーンの乾燥の原因

デリケートゾーンは皮膚が薄く敏感なため、乾燥しやすい部位です。生理用ナプキンやおりものシート、下着などで擦れやすく、外部からの刺激を受けやすいことも影響しています。また、排泄時にトイレットペーパーで拭く、ウォシュレットを使用するなどが、乾燥の原因となってしまうこともあります。デリケートゾーンは汚れやすい部位だからこそ、清潔に保とうとして洗いすぎてしまうことが多いようです。
また、年齢とともに皮脂の分泌や肌の潤い成分が減少していくため、加齢によってデリケートゾーンの乾燥を感じるという方も増えています。

間違った対処方法

デリケートゾーンのことは人に聞きづらいため、気づかぬまま間違ったケアを行っている方も少なくありません。自分が間違ったケアをしていないか、確認してみましょう。

デリケートゾーンを洗いすぎる

デリケートゾーンを清潔にしようとするあまり、洗いすぎてしまうことがあります。かゆみなどのトラブルが生じると、「きちんと洗えていないのでは」と不安になり、洗いすぎてしまうことが多いようです。洗浄力の高いソープを使用すると、肌に必要な皮脂と潤い成分まで洗い流してしまい、肌を乾燥させてしまいます。ゴシゴシとこすることで肌を傷つけてしまい、バリア機能を低下させてしまうこともあります。

排尿後にデリケートゾーンをゴシゴシと拭く

排尿後にはトイレットペーパーでデリケートゾーンの汚れを取り除きますが、その方法が適していないことがあります。以前は、「前から後ろに向かって拭く」というのが正しい方法とされていました。しかし現在は、「動かさずに押さえる」というのが正しい方法だといわれています。トイレットペーパーを押さえて汚れを取ることで、デリケートゾーンとトイレットペーパーの摩擦を防ぎ、デリケートゾーンの負担を減らすことができます。トイレットペーパーでデリケートゾーンをゴシゴシと拭いている方は、それが乾燥の原因となっているおそれがあるため注意しましょう。

専用でない保湿剤を使用する

保湿剤にはいろいろなものがあり、中には香料や着色料、界面活性剤などが入った刺激の強いものもあります。手や足に使用するのには問題ない保湿剤でも、デリケートゾーンには刺激が強すぎて負担となるものもあるため注意しましょう。刺激が強い保湿剤を使用すると、肌のバリア機能が低下して乾燥しやすくなってしまいます。

デリケートゾーンの乾燥を防ぐ方法

デリケートゾーンの乾燥を防ぐには、日ごろのお手入れをきちんとすることが大切です。正しいお手入れ方法を身につけて、肌の乾燥を防ぎましょう。

デリケートゾーンを洗いすぎないようにする

デリケートゾーンを洗いすぎると、肌が乾燥する原因となってしまいます。それを防ぐためにも、汚れをしっかりと落としつつ、肌に必要な皮脂と潤い成分を守ってくれる専用のソープで洗いましょう。
清潔な手でソープを泡立てたら、泡でデリケートゾーンを洗っていきます。初めに大陰唇、次に小陰唇の順番に洗いましょう。泡をつけた指の腹で、ひだをやさしくつまむようにして洗ってください。続いて、尿道口の外側、膣口の外側を、泡でなでるように洗っていきます。膣の内側を洗うと膣内の環境を乱してしまうため、内側は洗わないようにしましょう。最後に、膣内にお湯が入らないように注意しながら、ぬるま湯で汚れと泡を洗い流します。

専用の保湿剤で丁寧に保湿する

肌が乾燥するとバリア機能が低下してさらに乾燥しやすくなってしまうため、乾燥したら早めに保湿しましょう。肌が乾燥してから保湿するのではなく、保湿を毎日の習慣にして、乾燥させないようにすることが大切です。デリケートゾーンは他の部位に比べて繊細なので、専用の保湿剤を使って丁寧に保湿しましょう。デリケートゾーンを洗浄して清潔にしたら、付いている水滴を手で軽く払います。次に保湿剤を指にとり、大陰唇と小陰唇、尿道口の外側と膣口の外側の順番に塗りましょう。爪で傷つけないように注意しながら、指の腹でやさしく塗ってください。

排尿後はデリケートゾーンを刺激しないように拭く

排尿後にトイレットペーパーでデリケートゾーンを拭くときには、できるだけ肌を刺激しないようにすることが大切です。ゴシゴシこするのではなく、トイレットペーパーを肌に軽く押し当てるようにして汚れを取り除きましょう。トイレットペーパーは、肌触りがよく使い心地のよいものがおすすめです。通常、デリケートゾーンの洗浄は1日1回入浴時に行えばよいといわれています。ウォシュレットを頻回に使用すると乾燥しやすくなってしまうため、ウォシュレットの使用は控えましょう。

刺激の少ない下着や衣類を選ぶ

下着は、自分にあったサイズのものを選びましょう。小さいサイズのものや食い込むデザインのものは、デリケートゾーンの負担となってしまいます。リボンやレースなどが邪魔にならない、肌ざわりのよいものを選びましょう。素材は、吸湿性と保湿性が高い綿がおすすめです。敏感肌の方は化学繊維を避け、縫い目が外側になっている敏感肌用の下着を選ぶとよいでしょう。ストッキングやタイツ、ズボンなども、食い込みが少なくゆったりとしたデザインのものがおすすめです。

ナプキンやおりものシートはこまめに交換する

ナプキンやおりものシートを使用する場合には、こまめに交換しましょう。長時間交換しないと雑菌が増え、肌のバリア機能を低下させてしまいます。ナプキンやおりものシートは、肌にやさしく刺激の少ないものを選びましょう。敏感肌の方には、オーガニックコットンのものがおすすめです。洗う手間がありますが、肌にやさしい布ナプキンも人気を集めています。ナプキンやおりものシートは多くの種類が販売されているため、自分に合うものを選びましょう。

まとめ

デリケートゾーンの肌は薄く繊細なので、適切なケアが必要です。乾燥を防ぐためにも、専用の保湿剤で毎日保湿しましょう。

デリケートゾーンの清潔を守ることは大切ですが、洗いすぎると乾燥しやすくなるため注意が必要です。洗浄方法や排尿後の拭き方などを見直して、デリケートゾーンの負担とならないケアを身につけましょう。

この記事の執筆者:インコさん

正看護師として美容皮膚科をメインに勤務。美容皮膚科では、10代~60代まで幅広い年代の女性の脱毛も担当。多くの女性と接することで、体を美しく整えること、美しく年を重ねることの大切さを学ぶ。
デリケートゾーンを美しく整えたいと希望する女性が多いことから、フェムケアの必要性をより認識。
その後、卵巣嚢腫の手術を経験し、不妊治療のために退社。体外受精を経て1児の母に。
現在は、そうした経験を生かして医療や美容関連のライティングを中心に活動。
医療系記事では、疾病の基礎知識や対処法、美容整形の施術紹介など専門性の高いものを執筆。美容関連では、脱毛やスキンケアを中心に更年期障害やアンチエイジングケアなどのテーマを得意とする。